無償の奉仕こそが、信用をつくる

テレビのCMなどを利用して、企業が一方的に多くの人に情報を送りつけるマーケティング手法ではなく、アンバサダーと呼ばれる、熱狂的なファンにアプローチして、アンバサダーと一緒に商品開発やアピールをしながらマーケティングをする方法が脚光を浴びています。

顧客視点の企業戦略 -アンバサダープログラム的思考-

アンバサダーは、企業から金銭的な報酬を得て活動するのではなく、自発的に商品を応援します。「無報酬で面倒なことを、なぜするの?」と思う方には、ぜひ「無償の奉仕」のパワーを知って欲しいです。

本書を読みながら考えたことをまとめました。

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信用を醸造する仕組みとしてのボランティアを知る

アンバサダープログラムでは、推奨の対価として、金銭的な報酬を与えることは、原則的にやってはいけないとされています。ステルスマーケティングになってしまい、ブロガーも企業も信用をなくしてしまうからです。

せっかく紹介するのだから、金銭的なインセンティブが欲しいという方は多いでしょう。そういう方々は、社会で成功していく上で一番大切なものを放棄しています。

社会的にも、経済的にも成功するために、最も大切なものは「信用」です。信用こそ利益の源泉です。信用のないお店で商品を購入することはありませんよね。

自分の好きなものを無報酬で応援する。一見なにも得をしないようですが、ボランティア的な活動は、お金が絡まない分、信用が醸造されるのです。

例えばオープンソースのWordPressやMySQLのコードを改良したり、イベントを開催している人たちは、無償で活動をしています。

確かに活動自体になにもインセンティブは発生しません。しかし、活動した実績が信用となり、間接的に他の活動やビジネスにつながっているのです。

好きなことをしたり、好きなものを応援するのに、報酬なんて必要ありません。そして、その向こうには、良いことも待っています。

与える側に回る

あの人は大したことないのに…。それに比べて自分はもっと評価されるはずと感じているあなたへ。 でも述べたように、周りから評価されて、地位を伸ばしていくには、他人から与えてもらうのではなく、自ら周りに与えていく必要があります。

与えるなんてもったいない。できないという方は多いでしょう。しかし、成功者とは「多くの人に与える」ことができる人です。飲食店ならば、お客さんのために、心を込めた美味しい料理を作って与えるから、多くのお客さんが食べに来てくれるのです。

アンバサダーは、自分が好きなものを無償で応援します。まさに与える側に回る活動です。

自分を応援してくれる人を「あの人は良い人だよ」と他の人に口コミするでしょう。企業は、自社の商品を本気で応援してくれる人を大事にします。

企業自らは「我が社の商品はすごい!すばらしい!」とアピールしても、伝わりません。ユーザーから「この商品は良いよ」と口コミしてくれたほうが伝わるのです。

好きなものを「好きだ」と叫ぶと良いことがある

良いものは「良い」、好きなものは「好きだ」と、ハッキリ言える力が、これから求められていきます。

ただし、何でも良いと叫べばよいというわけではありません。自分のライフスタイルと価値観に沿った良いものを厳選して、応援していくのです。

糸井重里さんの著書「インターネット的」で、「消費のクリエイティブ」という言葉が紹介されています。お金の使い方や購入した商品が、人の魅力につながるのです。自分が買ったもの好きなもの、応援しているものが、その人なりを示すのです。

ユーザーの口コミが企業のブランドを育てます。そして、ユーザーは、良い企業の商品を使っているということが、自身のブランドになります。つまり、ブランドの共創です。

有名な画家は、手を描くには「手の周りの空間を描く」そうです。直接アピールするよりも、周囲の様子から暗喩したほうが、伝わうことは多いです。

個人ブロガーは、自分の好きなものを紹介して、間接的に自分のライフスタイルや価値観を表現できます。ブログの個性につなげていきましょう。

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本書は著者様から献本して頂きました。ありがとうございました。

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