英語教育はいつから始めるのが良いのか?

英語早期教育は待ったなしの状況です。

日本では現在5年生から英語を使った授業が行われています。2018年から3年生から英語を使った授業が始まります。5年生からは「科目化」されます。成績がつくのです。

早期教育の効果について、科学的な明確な結論は出ていません。他のアジア諸国の動向や、いくつかの研究結果によれば、外国語の学習は遅いよりは早い方が良いようです。

私自身は英語教育の専門家ではありませんが、なるべく信用の置ける情報ソースを集めて、英語の早期教育の効果について調べてまとめてみました。

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臨界期仮説について

ある年齢に達するまでに母国語の習得ができないと、その後言語を学習をしても上手く使いこなせなかったといういうケースがあります。

  • 父親の虐待を受け、13歳になるまで実家の地下室に監禁された例
  • 31歳になるまで、誰も彼女が聴覚障害を持っていることに気が付かなかった例

アメリカへの移民の英語力調査では、アメリカでの居住年数よりも、アメリカに初めて来た際の年齢との間に大きな相関関係があるそうです。

母国語を使いこなせる年齢の上限は存在するようです。しかし、あくまで母国語についての知見です。日本語を習得した日本人が、日本国内で英語を学習するケースに適用するのは、いささか強引のように感じますが、語学学習は早い方が良さそうだという印象は受けます。

【参考】ネイティブの幼児のように英語は学べる?

大人になってからの方が上達が速い?

周りの方々にヒアリングしてみると「大人になってから勉強しても十分間に合う」という意見が多かったです。

調べてみると、たしかに大人になってからも十分訓練すれば、語学を習得することは可能のようです。大人にとっては心強い!

短期的には子どもより大人(teenager 以上)が習得が早い
長期的には子どもの方がよりnativeに近いレベルに達する可能性大

via: EFL環境において臨界期はあるか(文科省 英語教育の在り方に関する有識者会議資料)

子供と大人では、言語を学習する方法が異なります。子供は感覚的に学習するのに対して、大人は学習目的を整理して、一般認知能力を利用して合理的、論理的に言語を学ぶため、大人の方が初期の上達が速いです。

しかし、ある程度習熟が進むと、子供の習熟度が大人を上回り、子供の方がよりネイティブに近い能力を身につけられるとのこと。「Older is faster, younger is better(大人のほうが早いが、子どものほうがすぐれている)」と言われています。

「母国語の習得が完了してから英語を学んだほうが良い」という意見がありますが、注意する必要がありそうです。いわゆる「大人の学習」をしたほうが初期の上達は速くなることを、「効率的」と解釈してしまうと、子供のうちから学べば得られたはずの飛躍的な成長の可能性を破棄してしまう可能性があるからです。

確かに、親の海外赴任などで、幼少期から小学生低学年で外国の学校へ通うようなケースでは、日本語も英語も中途半端になってしまい、問題が発生したという話しを海外赴任を経験した知人から聞いたことがあります。

今回は日本国内で、週に数時間英語を学ぶ状況を想定していますので、英語の学習が母国語の習得に与える影響は小さいでしょう。現地で英語漬けになるケースとは分けて考える必要があります。

早期教育の実際の効果

○ 早期からの英語教育の有効性を脳科学的に検証すべきとの観点から、いわゆる「臨界期説」について論点を整理した。

  • 「臨界期仮説」は、本来、母語習得に関するものであり、第2言語習得環境(第2言語に接する機会が日常生活にとても多い環境)を対象とする研究にも広げられた。明確な臨界期の存在は未確認であるが、一般的に、学習年齢が高くなるほど、ネイティブ・スピーカー(母語話者)に近い言語習得が難しくなると解釈されている。
  • 一方、日本のように、日常的に外国語に接する機会が少ない環境での外国語学習は、第2言語習得環境と分けて考える必要がある。スペインでの研究によれば、8歳から英語学習を始めた子供は、11歳から始めた子供と比較すると、文法能力では追い抜くことはできないが、リスニングと発音では、統計的に有意な差が出ている。国内でも、小学生から英語を学習した者の方が、大学生になってもリスニングの力が高く、英語への肯定的な態度が高いという研究結果がある。リスニング力等や英語を使うことの自信に関して一定の相関関係が見られる。
  • 脳科学は、著しい進歩を遂げているが、今のところ、言語教育や外国語教育に関する政策や教授法に直接に示唆を与える研究成果はない。

via: 文科省のメモ(英語教育の在り方に関する有識者会議)

リスニングと発音については、8歳から学んだ子は11歳から学んだ子よりも明らかに上達したという、スペインでの調査があります。

日本国内でも、リスニングや英語学習に対するモチベーションの向上があったという調査結果があります。モチベーションは学習において重要です。

アジア諸国の状況

韓国や中国では、英語の早期教育が日本より先行して行われています。韓国は20年前から小学3年生から英語教育が始めていて、ベネッセコーポレーションの調査で、早期教育により韓国の子どもたちの英語能力が大きく向上したことが判明しています。特にリスニングの成績は、点数も伸びも高いです。

私の結論

脳科学などによる、外国語学習の具体的なメカニズムの解明は今後の研究に期待するとして、これまでの研究結果を総合すれば、早期教育は一定の効果があると言って良いでしょう。

ただし、早期教育をすれば全員の英語が上達するというわけではありません。算数や国語などの他の教科と同じように、子供によって得意不得意はあります。子供のころから英語を習わせたけど、まったく伸びなかった子もいるでしょう。しかし、トータルで見れば上達した子の方が多いのであれば、チャレンジしない理由はありません。

英語教育よりも、日本語教育を充実すべきという意見があります。英語教育にあてる時間を、国語に振り替えれば、もっと日本語を学べるかというと、そうでもないような。母国語は生活の中でも学ぶものだからです。

前述したように、海外赴任などで小学生で現地校に通わざるをえないような状況では、母国語の習得が不十分になる心配がありますが。

日本国内に居住していれば、日本語をしっかり習得しながら、英語を学ぶことは可能ではないでしょうか?

今日のわかった

大人になってからも英語は学べるが、子供の頃にやっておくと飛躍的に伸びる可能性がある。チャレンジしない理由はない。

将来的には自動翻訳機が普及してくるでしょうけど、だからこそ本物の語学が貴重になってきます。

教育論
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