涸沢-奥穂高 無念の途中下山

2009.7.18-20の二泊三日の予定で、涸沢経由で奥穂高岳を目指しました。

涸沢にテントを張って、二日目に軽装で奥穂高岳をピストンで目指す予定でした。

しかし、上高地に着いてみると……。

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土砂降りorz

日ごろの行いが悪かったのか、思いっきり降られました。

それでも、次の日以降の天気予報が回復傾向であったため、一路涸沢へを目指しました。

いくら進んでも、雨は一向にやむ気配はありません。

涸沢ヒュッテ手前の雪渓の雪の多さにちょっとビビリました。足跡をたどって慎重に登りました。

約6時間で涸沢ヒュッテに到着。

テン場は雪上orz

不安を感じつつも、雨の中、雪上でテント設営をして、テントに飛び込みました。

着ていたズボンやシャツなどは全て濡れていました。雨具を着ていたため、雨で濡れたのではなく、汗で濡れたようです。

濡れた服がどんどん冷えてきます。さ、寒い。

全部脱いで、新しい下着を着て寝袋に包まって、お湯を沸かしてコーヒーを飲んだら、ちょっと落ち着きました。

テントの外は豪雨です。虎の子の下着類をぬらすわけにはいかないため、外には出れません。

濡れたシャツやズボン、雨具は全く乾く気配はありません。

こりゃ参ったな。

実は今回、下着やシャツをあまり持ってこなかったのです。防寒着として計算していた雨具も濡れてしまい、着れないし。

うーん、小屋に逃げ込んだ方が良いかもしれない。

濡れた服と雨具に着替えて、水の補給を兼ねて、涸沢ヒュッテに。

ストーブがあって、暖かい…。みんな濡れた服を乾かしていました。

私も一度テントに戻って、濡れたシャツなどを持ってきて乾かしました。

ストーブに当たりながら、「もうあの寒いテントには戻る気はしない」と思い、同行者と相談して、テントを撤収し、小屋に逃げ込むことにしました。

心が折れた

小屋のおじさんも、相談に快く応じてくださいまして、宿泊代はテント利用料との差額で良いとのこと。助かりました。

夜中は暴風雨でした。テントをあきらめて本当に良かったなと。

夜が明けても、引き続き外は強風と雨。いわゆる「ゲリラ豪雨」が断続的に続いているような天候でした。山どころか、手前の雪渓すら見えませんでした。

その次の日は天候が回復するということでした。
選択肢は3つ。

1)奥穂高山荘までの2時間半の工程を無理して登る
2)上高地に下山する
3)涸沢ヒュッテに停滞する

3)は涸沢の眺望は楽しめるかもしれないけれど、ピークは踏めないし、私自身的には紅葉の時期のすばらしい眺めを見たことがあるため却下し。

同行者は1)を希望しました。

私は、生まれて六ヶ月になる乳飲み子の笑顔が脳裏をよぎり、さらにちょっと前に起きた、北海道大雪山系の大規模遭難事故、そして、前日の雪上テントの寒さにやられてしまって、心が折れていました。ピークへの意欲は、すっかり消えていました。

ということで、意見が分かれた場合は、セーフティーな選択をという原則に基づき、下山しました。

下山中も、上高地までずっと土砂降りと突風が代わる代わる続く感じでした。

雪渓の下りが、足元が滑りやすくなっていて、かなり怖かったです。

軽アイゼンを持っていなかったため、同行者のストックを借りて通過しました。

北アルプスをなめていた

雪渓の多さを見て、「あ、ここは下界でも雪が降る豪雪地帯だったんだ」と、改めて感じました。

北アルプス登山は、雪渓の消える8月下旬くらいがベストかなと。以前登った槍ヶ岳は8月下旬でした。

そして、雨中の行動経験が少なかったことも、大きかったです。

昨年登った燕岳は雨に降られたけど、下山だったため、多少濡れてもOKでした。

それに対し、登りで雨に降られてしまうと、装備や服が乾かないテント泊は厳しいことが、身にしみて理解できました。

あとは、さすがに乳飲み子を残して、無理はできないですね。私自身が、いわゆる「ホームシック」になっていたようです。

リベンジ!

今回は良い経験をさせていただきました。

「勇気ある撤退」は、一度は経験しておく必要はあると思います。2009.7の大雪山事故のように、本当にヤバイ時に危険感知できなくなるようなことは避けたいです。

テントを撤収して、小屋泊の手続きをした後、夕食で食べた、涸沢ヒュッテ名物のおでん、すごく美味しかったです。

近いうちに、またチャレンジするぞ!

登山記
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