スポーツが知力を鍛える理由

大人になってから、マラソン、水泳、ゴルフ、スキーといった新しいスポーツを始めました。子供の頃よりも、大人になってからの方が上達のスピードが圧倒的に速いと感じています。今の方が、色々考えながら練習をしているからです。

史上最強バルセロナ 世界最高の育成メソッド

先日のヨーロッパ選手権でマンチェスターUを圧倒した、バルセロナ。その強さの秘密は、バルサの一貫した哲学と、それを表現できる選手を、ユース世代からしっかり育てていることだといわれています。メッシ、シャビ、イニエスタなどの主力は、バルサユース上がりの選手です。

子供の頃に「練習の意味」を教わった記憶は多くありません。ただ言われた練習を黙々とこなすだけでした。本書のバルセロナのようにとまではいかなくても、もうちょっと論理的な説明を受けながら練習すれば、もっと上手くなれたのではないかと思うと、残念です。


ロアッソ、ホームで札幌下す:サッカーJ2のロアッソ熊本は熊本市の県民総合運動公園陸上競技場でコンサドーレ札幌と対戦し、1対0で勝った。 / amadeusrecord

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練習のための練習は×

サッカーの試合の中には、多彩な状況が詰め込まれている。もちろんまるで同じ状況は二度と訪れないのかもしれない。しかし、その一部を切り取り、それを分析し、読み取りながら実戦に向けたトレーニングを続けることは可能だ。選手たちが、類似した状況を理解し、前もって体験してくことで、実戦での読みも速まり優位に立てる。

「練習の意味」を教えても、子供は理解できないのでしょうか?いや、絶対に分かるはずです。子供が分かる言葉をつかったり、たとえ話を入れたりして工夫すれば、きっと子供でも理解できるはずです。ただ練習をするだけ、運動するだけでは、上達は遅いと思います。

しかし私は、彼に一対一を仕掛けるな、とは絶対に言わない。それでは彼の長所が消えてしまうからだ。彼は仕掛けてはいけないのではなく、仕掛ける場所を読む必要がある。

つまり危険なゾーンで、リスクがあると判断できるかどうかが、彼の改善ポイントになる。

体力と技術の向上だけでなく、スポーツの仕組みを理解する必要があります。仕組みが分かっていれば、すばやい判断ができ、効果的な動くことができます。漠然と試合をするだけでなくて、個々の局面を切り出して、反復練習することで、体の動きや判断力を効率よく鍛えることができます。ただし、本番の試合を想定して行わないと、「練習のための練習」になってしまいます。練習をする前に、「練習の意味」を叩き込むことが必要です。


作戦拡大中 / kisocci

スポーツでロジック力を鍛える

スペインの子供たちは、毎回一時間半から二時間の凝縮されたトレーニングで、ゲームを読み、的確にボールをさばき、さらに絶対に負けまいと、心身ともにすべてのエネルギーを出し尽くす。

ところが日本の子供たちは、はるかに長い時間をかけて、テクニックばかりに偏りすぎたトレーニングを続けたり、走りこんだりを繰り返す傾向が強い。

バルセロナユースのサッカーの練習内容は、論理的でした。バルサの哲学で勝利を目指す、つまり、試合に勝てばよいというわけではなくて、トップチームと同じく、圧倒的にボールを支配しながら、相手の隙を突くというチームの哲学に沿った戦術で、勝利を目指すための練習が用意されています。練習の意味づけもしっかり行われ、戦術とテクニック、フィジカルすべてを同時に身につけられるプログラムが組まれ、重複やムダはありません。

よく、日本の学校教育では論理力は身につかないといわれます。学校教育では知識の詰め込みがメインで、なにかを成し遂げる機会が少ないからです。

サッカーなどのスポーツを通してであれば、勝利という唯一つの目標に向かって、課題を設定したり、周りとのコミュニケーションを取ることで、論理力を高めていけます。スポーツは体を鍛えるとともに、ロジカルな思考力を鍛える場でもあるのです。


練習風景 / Sekikos

親は子の専属コーチ

テクニックのアドバイスは、偉大な選手たちのフォームをよく見て分析し、目の前の子とどこが違うのかを比較する。偉大な選手のキックが、なぜうまくいくのか。それをしっかり理解できていれば、修正点も指摘しやすい。

私は子供の頃に、専門のスクールで学んだことはありません。地域の少年団や、学校の部活、同好会といった、いわゆる「素人コーチ」が教える団体でスポーツしてきました。スポーツ専門のスクールで教われば、もっとレベルの高いコーチングを受けられたのかもしれません。野球が上手かった友達は、リトルリーグに入っていましたし、水泳が得意な友人は、水泳スクールに通っていました。

でも、スクールには通っていないのに、スポーツが得意な連中もいました。彼らは二つに分けられると思っています。一つは、もともと才能を持っていた。もう一つは、「両親」からのコーチングを十分受けていたことです。

スクールだと、専属コーチをつけない限り、一人ひとりへの注意は分散されてしまいます。それと比べて、親は自分の子供のプレーしか見ていません。専門的なことは分からなくても、上手い子と自分の子のプレーの違いは分かります。違いを教えてあげるだけでも、コーチングになるはずです。わが子のプレーをビデオ撮影して、試合後の夜に一緒に見ても復習してもよいでしょう。

石川遼選手のコーチはお父さんで、プロゴルファーでもなんでもない、ただのサラリーマンだそうです。子供の頃から遼君のプレーを見続けていて、良いときと悪いときのフォームやメンタルの状態がすべてインプットされています。斬新な理論を元にしたフォームは教えられないかもしれませんが、調子が良かった昨日に比べて、調子が悪くなってきた時にフォームのどこがずれているのかを、忠告することはできるでしょう。コーチをするなら、専門知識以上に観察力が重要です


VYA_0664 / 独自又何妨

実戦しか実戦の勘は磨けない

チーム内にはどうしても序列ができるから、その瞬間でのベストメンバーが試合に出て行くのは仕方がない。しかし育成段階では、誰にでもプレーをする機会を与えるべきである。そうしなければ、育成とは言えない

いくら練習をしても、それを実戦で生かせなければ、意味がありません。日本の子供のスポーツは、チームスポーツだと出場できるメンバーがレギュラーに限られてしまいます。試合に出れる子供はドンドン上手くなって、出れない子供と差がついてきます。

欧州では歴史的にもリーグ戦で育成を図ってきた。一方日本にはノックアウト方式で育成してきた伝統がある。現在は欧州のリーグ戦文化に近づけようと改革を進めている最中だという。

もちろん、ある程度の競争は必要だとは思いますが、まだ上手くない子にも試合に出れるように、グレード別の試合を増やすことが必要だと思います。逆に言うと、スポーツ参加者のわりに試合数が少ない競技は敬遠して、試合に出れるチャンスが多い競技を選んだほうが、子供の教育には良いかもしれません。試合に出れないと面白くないですからね。

今日のわかった

ウチの子たちは、私が専属コーチになります!
まあ、本人達がスポーツに興味を持ってくれればの話ですが^^

読書2011
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