
フルマラソンの42.195kmは、誰にとっても長く、果てしない距離に感じます。
特に30kmを過ぎたあたりから、脚が重くなり、メンタルの維持が難しくなるランナーは多いでしょう。
そんなときに有効なのが、「マイルストーンを細かく設定する」走り方です。
5kmごとの区切りで走る
多くのランナーが採用している基本戦略は「5kmごとの区切り」です。
5kmごとにエイドがある大会も多く、自然とペースを整えやすい距離感です。
たとえば「5kmごとにリセットする」意識を持つと、42kmという長距離が「5km×8本+少し」に変わります。
つまり、5kmを走り終えるたびに「よし、1本終わった」と達成感を得られるのです。
この小さな成功体験の積み重ねが、後半の粘りにつながります。
しかし、5km毎でも、20km以降のキツイ区間では、遠く感じます。
特に、20kmから25km、25kmから30kmの区間は非常に長いです。
苦しくなる後半は「目標を細かく」する
しかし、後半に入るとこの「5kmごと」でも遠く感じてしまうことがあります。
30kmを超えると、体力だけでなく、気力の消耗も激しくなります。
そこで効果的なのが、マイルストーンをさらに細かく設定することです。
たとえば次のような区切りです。
- 21km:中間点突破!
- 28km:残り1/3地点
- 30km:キリの良い距離
- 32km:残り10km
- 35km:キリの良い距離
- 39km:残り3km
- 40km:残り2km
- 41km:残り1km
このように設定すると、ゴールまでの道のりを「次の目標」へと分解できます。
例えば、31km付近を走っている時は、「あと11km」ではなく、「まずは32km地点まで」と考えれば、メンタルの負担がぐっと軽くなります。
ゴールまでを「心理的に近くする」
マラソンで苦しくなるのは、実際の距離よりも「心理的な距離」が長く感じるからです。
人間の脳は、遠い目標に対して集中力を維持するのが苦手です。
そこで、「目標を小さく区切る」ことで、ゴールを心理的に近づけることができます。
「次の給水所まで」「あの橋を越えるまで」「次の曲がり角まで」
これらも立派なマイルストーンです。
特に終盤は、5kmや1kmといった数字よりも、「視覚的な区切り」の方が効果を発揮することもあります。
まとめ:小さな区切りが、大きな完走につながる
フルマラソンは「42kmを走る」競技ではなく、「42回、小さなゴールを重ねる」競技です。
5kmごとの目標に加え、後半は細かいマイルストーンを設けることで、ゴールまでの道のりがぐっと近く感じられます。
「あと少し」の積み重ねが、あなたを完走へ導く最強のメンタル戦略です。
