世界一わかりやすい富裕層マーケティングの方法

最近のマーケティングは、「激安」と「ブランド」といった具合に、二極化しているといわれています。個人や零細企業でビジネスを回していくには、「激安」で勝負しても、スケールメリットを生かせる大企業にかなうわけがありません。

世界一わかりやすい富裕層マーケティングの本 (East Press Business)

個人や零細企業が狙うべきは「富裕層」です。とはいっても、本当のお金持ちを相手にするには、それなりのコネクションや人脈が必要ですので、普通にやっていては無理です。

本書で紹介しているのは、「自由に使えるお金がそこそこあって、自分のこだわりにはお金に躊躇しない人=新・富裕層」をターゲットにする方法です。


inflation / JoshuaDavisPhotography

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みんな富裕層の面をもっている

私自身は、一万円以上のものを買うときは、いつもドキドキしてしまうくらい買い物に関してはチキンです。安ければ、それに越したことはないですし、ブランドよりも機能性重視で、いわゆる「富裕層」とは程遠い存在です。

自分のこだわり分野の商品では内容をよく吟味して慎重に商品を選んでいる一方、それ以外のものであれば安物でかまわない、中古品でもかまわないという購買行動を取る人が増えているのです。

それでも、一部の商品については、ブランド商品・高額商品を買っても良いかなと思っています。例えばファッションでいうと、ジャケットと靴だけはしっかりとしたものを揃えておけば、他は安物でもなんとかなります。テレビや炊飯ジャーなど、毎日利用する家電製品は、一日あたりの金額にするとすごく安いので、多少高価でも納得のいくものを購入したいと思っています。

ジャケットと靴以外はユニクロで十分。これってまさに、本書にある「メリハリ消費」そのものです。つまり、私のようなケチ系な人間でも、ジャンルによっては「富裕層」の面を持ち合わせているのです。


IMG_3640-5DMK2 / gtknj

トヨタ・プリウスはすごい

自分の感覚に合うモノや、自分のプレステージ感を高め、自己表現をしてくれるモノであれば、多少高くても喜んで買うのです。

最近の富裕層マーケティングですごいなと思っているのがハイブリッドカーの「トヨタ・プリウス」です。高度なメカニックとコンピューター制御を結集したハイテク車体は、商品価値としては十分すぎます。その上に、省エネルギーに参加している自負心、そして人気爆発による希少性は、人々の購買意欲を大いにかきたてます。

ハリウッドスターなどの海外のセレブは、こぞってプリウスに乗っているそうです。高級車に乗るのではなくて、環境にプリウスに乗るのが、対外的にもイメージアップに繋がります。ハイテク・エコ意識・希少性が、新たなステイタスを創り上げたのです。

セレブから新・富裕層まで広く支持されて、プリウスは、国内生産No.1車種になってしまいました。今後はプリウス以外の車種にも、ハイブリッド機能を続々と搭載していくらしいです。希少性とステイタスを保ちつつ、トヨタがどうやってブランドの舵取りをしていくか、今後見守っていきましょう。


discount dreams / meaduva

とにかく価格を下げない

値段を下げると、価格競争に巻き込まれてしまって、メリハリ消費の対象にはなりません。価格を下げれば確かに売れます。けどそれは「麻薬」みたいなものです。いくら売れても値段をさげてしまっては、利益が増えません。

一般的に、人は値段が高いものほどよいモノだと判断する傾向にあります。もちろん、新・富裕層も同様です。

となると、良い商品は、安く売るよりも、それなりの値段で出したほうが売れ行きがよくなるというわけです。

宝石店の店員が間違えて倍の値札をつけたところ、急に売れ出したというケースが実際にあるように、「名声価格」と呼ばれる現象です。

マーケティングの手法を駆使すれば、値段が高くても買ってくれる人は必ず居ます。価格を高くできれば、販売数を少なくできるため、希少価値を出せます。割引をするくらいなら、おまけや次回サービス券を配布するなどして、あらゆる手を尽くしてでも値段を下げないようにすべきです。

考えてみればおかしな話ですが、本当によいものを安い値段で売るときには、ます「本当によいモノだ」ということを伝える努力と手間が必要になるのです。

適正価格で売れないということは、売り方になにか問題があると思ったほうがよさそうです。値段は商品価値を確実に伝えることができるメッセージなのです。

今はデフレ時代です。良い商品が、考えられないくらい安い値段で手に入ります。でもそれは多くの企業や販売店が「値下げ」という「一番安易な方法」を選択しているのが一番大きいと思います。お金をたくさん使う労働人口がどんどん減っているのにもかかわらず、工場の生産能力は昔のままに、モノを大量に作り続けているのですから、商品がダブついているのです。


Swings above the boardwalk – again! / joiseyshowaa

気持ちよく買わせる

以前知人が、ネット通販で商品を購入したとき、

「詳細な商品情報が豊富で、色々な切り口で商品を比較できて、リアル店舗で買うよりも、納得の商品を気持ちよく購入できたよ」

と言ってました。

マーケティングの目的とは、結局のところ「いかに、お客さんに気持ちよくお金を払ってもらうか」に尽きるのかなと。商品の情報収集から、商品の比較、購入の決定、お金の支払い、商品の受け取りまで、よどみなくスムーズに進む仕組みを、いかに精度良く作れるかが勝負になります。

本書には「新・富裕層の心をつかむ100のしかけ」と称して、マーケティングのテクニックが100個掲載されています。その中で私が特に効き目があると思うものを紹介しておきます。

●希少性による魅力アップ

なかなか入手できなかったものの価値は、高くなるものです。
手に入れるために、待ちわびたものであれば、待ち時間そのものが商品価値になるし、あちこち探し回ったものであれば、労力そのものが商品の価値にプラスされるのです。

前述のプリウスもそうですが、行列のできるラーメン屋さんも良い例ですね。待っている時間が、ラーメンの味をより引き立ててくれます。お客さんの回転数を増やしたり、店舗を増やしても、行列は残るようにしないといけません。たまごっちと同じで、大量生産をして「希少性」の魅力が損なわれてしまうと、人々の興味は急激に失せてしまいます。

●「権威」という価値で心をつかむ

ほとんどの人は、大学教授や医者などの専門家が専門分野について話をした場合には、言うことを疑わず、そのまま聞き入れます。そこで、商品の魅力を伝えるために専門家を活用する例は少なくありません。「ドクター○○が勧める」「○○博士のお墨つき」「カリスマ○○、イチ押しの店」といった表現です。

これはブログでも使えるテクニックです。自分が得意な分野で「○○研究家」と名乗ってしまえば、ブログに信頼感が出てきます。匿名の個人ブログを運営していると、「あなたはどこの誰?」ってことが多いのですが、肩書きがあると、なんとなく安心感があるのは、「権威」の力をうまく利用している例だと思います。

●お得意さま扱いで、価値を高める

多くの場合、お客は自分の名前を覚えてくれる店に行きたがります。
お客をお得意さまとして大切にしている姿勢を伝えることができれば、お客はその店をひいきにしてくれるのです。自分が歓迎されていると感じる店で使う金が増えるのは、人間心理として当然のことかもしれません

私が良く行く居酒屋は、大将が知り合いのお店がほとんどです。電話で予約もしやすいですし、○秘メニューを出してくれたり、一人で飲みにいくと、話し相手になってくれたりします。完全にマーケティングにハマってます^^

●「にぎわい感」という価値で心をつかむ

「自分と似たような人と同じものを買えば安心」という心理があるのです。こだわりがある分野であっても、こだわりの仲間同士で同じものをベースにしたいと考えるのです。

ブログでも商売でも、最も重要なのが「リピーターの獲得」です。特にブログでは、管理人となにかしら共通点を見出した人がリピーターになってくれます。自分と考え方や趣味が似ている人の行動を追っていれば、自分に合った商品を知ることができて、間違いが少なくて安心です。

ブログでは、私生活の様子なども積極的に紹介して、読み手との共通点となるフックを増やしていくと有効です。「男の子一人と夫婦で三人家族」と家族構成を紹介するだけでも、共通点になります。結局のところ、「知っている人」になることが、商売でもブログでも大切なことなのです。

今日のわかった

当ブログのターゲットは「いま置かれている自分の社会的なポジションに不安を感じている30代男性・サラリーマン」です。

さらに、「こだわりの商品には金に糸目をつけない人」も付け加えようと思います^^

読書2011
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