アメトークから学ぶ10年続くブログ運営術

アメトーーク! DVD 25

アメトークは私が毎回観ている数少ないテレビ番組の一つです。「こんなお題で、本当に一時間持つのかな…」という回ほど、芸人さんたちがフル回転してメチャクチャ面白かったりします。

たくらむ技術 (新潮新書)

10年続く長者番組「アメトーク」を制作しているのが、本書の著者である加地さん。アメトーク、ロンドンハーツという二つの人気番組の責任者です。人気番組を長く続けるために日々考えていることが、本書で詳しく述べられています。

テレビ番組制作のノウハウは、ブログ運営にも役立つと思いました。人気ブログを続ける上でも役立つを感じたポイントを、ご紹介します。

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自分自身が「面白い」と思うことをやる

視聴者を過剰に意識して、トレンドや最新情報をいくら仕入れたところで、自分自身が「面白い」という強い感情を持たない限り、番組で活かすことはできないし、どうコントロールしていいかも分かりません。

新しい情報を追うより、気の合うスタッフたちとの雑談で「それ、面白いよ」と盛り上がったテーマを深く掘っていくことの方が、「生きた企画」につながると思っています。

via: P36

アメトークのネタは、「家電芸人」「広島カープ芸人」といったように、最新の流行ではなく、日常にありふれた内容が多いです。面白いことは、日常の生活の中にあります。芸人さんたちは、毎日注意深くネタを拾っているのです。

ブログも似たような面があります。別に、新商品の情報や、新しいニュースを必死に追わなくても、ネタはいくらでもあります。自分が日々の生活の中で面白いと感じたことを、ポストしていけば良いのです。同じネタでも、切り口を変えて何度でも書いても構わないのです。

私は新商品とか新しいニュースをガンガン紹介していくタイプではありません。もちろん「新しい」ということはそれだけで価値があることです。しかし、新しいことをネタにしていく限り、常に新しいものを追っていかないと続かないブログになってしまいます。追うことができる方なら良いですが、私には難しそうです。

自分が面白いと感じたことは、同じように面白いと思ってくれる人は、世の中にはたくさん居るはずです。人の数だけ「面白いネタ」は存在するのです。アクセス数が増えるからとか、儲かるからと情報に流されるのではなく、「自分が面白い」と思う道を突き進むだけです。

勝ち続けるために負けておく

ヒット企画を繰り返すということは、それだけ考える手間が省けるわけですから、理屈上では時間的、精神的に余裕が生まれる。その間に新しい企画を考えることができるじゃないか。そういう理論が成り立つはずです。

ところが実際のところ、そううまくはいきません。調子がいいと、人は油断し、新しいことを考えないようになってしまうもの。現に「ロンドンハーツ」はその罠にハマっていたから10週間も迷走したのです。

via: P70

視聴率を稼ぐために、視聴者にウケたネタをずっと続けてしまうと、すぐに飽きられてしまうそうです。調子が良いときこそ、次への布石を打っておくことが、長く続く秘訣だということです

たしかに「油揚げ芸人」は、本当にこれで一時間持つのかな?と私も思いました。実際に視聴率は良くなかったと思います。しかし、あの回から始まった「スーパースローモーション」は、その後良く使われて、人気コーナーになりました。

ブログでも、iPhoneネタばかりポストしているとiPhoneに興味のある人しか読んでもらえなくなります。ジャンルを絞ることはブログで有効なことなのですが、iPhoneネタは激戦区。いつかは飽きられます。

興味のある他のネタをポストすることで、ブログのスパイスとなり、将来へのネタの種を蒔くことにつながるのです。

アメトーーク! DVD 26

ペースを守る

普通、ついつい気分が乗ってくると10ページくらいやってしまいがちです。でも、それは絶対にやらないようにしたそうです。

なぜなら調子がいいからといって10ページやると、調子が良くない時には「このまえがんばったから、今日はやらなくていいな」となってしまう。

すると、結果的に0ページの日ができてしまい、いつの間にかそれが続いて、結局最後までいかないからだと言うのです。

via: P110

京大出身のロザンの宇治原さんは、受験勉強で問題集をやるとき、ゴール日を決めて、逆算して毎日のページ数を決めて、決めた通りに毎日問題集を解いていくことがコツだと言います。

これはブログにも当てはまります。私は原則毎日(土曜祝日は休み)更新をつづけて、もうすぐ3年になります。ポストできる日に2-3記事まとめてポストするブロガーもいらっしゃるようですが、私は毎日一記事づつポストしていきます。

定期的にポストしているから、サボり癖がつかず続けられたと思っています。定期的に更新を続けると、連続更新を中断してしまうことにもったいなさを感じることも、ブログ更新のモチベーションになっています。もちろんムラがあっても続けられる方であれば問題ないと思います。やり方は人それぞれです。

言葉使いに気をつける

こういう話をすると「媚びている」と受け止める人もいるかもしれません。世間的に「媚びる」というのは、あまりいいイメージではない。

でも、問題は媚びることそのものではなくて、何のために媚びるのか、その目的であるような気がします。自分が出世するためであれば媚びたりしません。でも、目的が「面白いものを作るため」であれば、どんどん媚びてかまわないと僕は思っています。

会社で大きな勝負をする時のためにも、自分の言うことを聞いてもらう環境を整えておくことが大切なのではないでしょうか。

via: P130

テレビ番組は、チームで制作します。テレビ局は大企業でお金の動きも大きいので、上司や幹部の承認も不可欠です。そんな中で上手くやっていくには、余計な衝突を生まないことが大切だということです。

ブログやソーシャルメディア上では、日々壮絶な足の引っ張り合いが行われています。もちろん「批判」的なものの見方は大切です。おかしいと思うことに対して、自分の批判を公開して世に問うことは必要でしょう。

ただし、余計な衝突を生まないためにも、問題の指摘と人格否定は区別しましょう。そして、改善案もセットにしてポストすることが大切です。否定は誰にでもできる事です。改善案を出すことで、同じ議論の土俵に上がれるのです。

ただ否定するだけの行為は、土俵の外から石を投げているようなものです。本人は得意になっているかもしれませんが、端から見ていて気持ちのよい物ではありません。

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自分が面白い人である必要はない

必要なのは「面白さを理解できる頭」「面白さを伝えられる頭」なのです。

何が面白いか。どこが面白いか。どこが面白くないか。

自分で問いを設定して、答えを考える能力です。

via: P152

芸人さんたちは、お笑いの「エースで4番バッター」が全国から集まって、さらに競争に打ち勝ってきたエース中のエース。通常の人では太刀打ちできないくらい面白い。番組制作側のスタッフも面白い人である必要はなく、彼らの面白さが理解できれば良いそうです。

ブロガーも、ブロガー自身が面白い人は、大きな個性になるでしょう。でも、ブロガー自身が面白くなくても、ネタが面白ければ、面白い記事になります。無理に自分を作らずに、書きたいように記事を書いてポストしていけば良いのです。

日々の生活の中で、ちょっとした出来事から面白さを見いだして、記事にしていけることが、ブロガーにとって一番必要な能力だと思います。

今日のわかった

良い本でした。ブログを運営している方は、ぜひ読まれることをお勧めします。

瞬間的にヒットを飛ばすことは、そんなに難しいことではないです。しかし、飽きられず人気を続けることは、かなり難しいことだと感じました。

アメトークのメカニズムを理解できれば、ブログに応用できることもあると思います。長寿番組で行われていることを理解できれば、何をすべきかが見えてくるはずです。

読書2013
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