女性の社会進出が、日本経済の活性化につながる

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2008年のリーマンショック以前までは、日本経済は戦後最大の好景気と言われていました。ところが。いくら景気が良くなったと言われても、実感できなかったという声がほとんどでした。なぜでしょうか?

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く

日本経済を活性化させるための、特効薬はなにか?それを知るには、今起きているデフレの本当の原因を探らなければなりません。本書が提示している仮説を、否定できる事実はなさそうです。


Population density model (In 1850) / JacobEnos

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生産年齢人口の減少

子供と高齢者を加えた総人口の減少よりも、現役世代に絞った生産年齢人口の減少の方がよほど急であるというこの最近の現実は、ほとんどの人が想定していなかった大問題なのです。

出生が死亡よりも減ってしまっただの、都会に若者を取られただの、そういうレベルをはるかに上回るペースで現役世代人口の減少が起きている。そこのところを直視して原因を考えないと、話は先に進みません。

本書では、団塊世代が定年退職で毎年どんどんリタイヤして、一番お金を使う「生産年齢人口(15-64歳)」がどんどん減っていることが、デフレの原因だと主張しています。

これまでは、生産年齢人口が増えればその分売り上げが伸びていく商品、つまり、車や電化製品といった商品が、日本経済を牽引してきました。しかし今は、生産年齢人口が減り続けているのに、同じように商品を生産し続けているため、物が余っている状況です。安く売り叩かないと売れないのです。液晶の40インチの薄型テレビが8万円で売っているとか、はっきり言って異常だと思います。

安く売るには、コストダウンをしなくてはいけません。企業は人員合理化を進めています。労働者数を減らし生産性を高めるという企業努力が、失業者を増やし、実働している生産年齢人口をさらに減らしています。経済の縮小をさらに加速させているのです。まさに、自分で自分の首を締めているようなものです。

リタイヤした高齢者はたくさんの預貯金を持っているのですが、お金を使おうとしません。なぜなら、いつ病気になって、どれくらいの医療費がかかるか分からないので、必死に溜め込んでいます。日本の総預貯金額はものすごい金額とはいっても、その多くが死に金になってしまっているのです。

冒頭で紹介したリーマン以前の好景気は、株価やGDPといった数字上の景気が良くなっただけです。実際には一番お金が必要で、お金を使う若者の給料は、絞り取られてられているのです。これでは、世の中にお金が回ることはありませんし、デフレは解消されません。


Playing in the fountain / albany_tim

手っ取り早く「生産年齢人口」を増やす方法

デフレの正体が「生産年齢人口の低下」という仮説を否定できる事実は、今のところなさそうです。では、「生産年齢人口」を増やすためには、どうすればよいのでしょうか?

出生率を上げて子供を増やすという案がよく言われていますが、団塊世代レベルの人口を確保するには、昔のように、7-8人生むくらいでないと、達成できないです。私の父親は団塊世代で、兄弟は8人です。母も5人です。周りを見ても、兄弟が多いところが多いです。核家族化が進んだ現在で、おなじことをするのは、とても無理だと思います。

私は、「外国人労働者導入は必然だ」と主張する議論を読むたびにいつも思うのです。あなたの目の前に、教育水準が高くて、就職経験が豊富で、能力も高い日本人女性がこれだけいるのに、どうして彼女らを使おうとせずに、先に外国人を連れて来いという発想になるのか。

一番効果が大きい施策が、「女性の社会進出」です。現在は女性は全体の4割しか働いていません。女性がフルタイムで働けば、生産年齢人口が一気に増えます。


Flower Garden / mrhayata

さらに、女性が働いたほうが、出生率も高くなります。実際問題として、ダブルインカムで収入を増やさないことには、安心して多くの子供を生めないというのが実情なのです。私がおこなっているウェブサービスを中心としたスモールビジネスは、子育てしながら自宅で行えますので、スモールビジネス促進のような活動も個人的に進めて行きたいと思いました。

生産年齢人口を増やすだけでなくて、若い世代のお給料を増やすことも対策になります。そもそも、実働して企業に利益をもたらしているのは、歳を食った管理職ではなくて、現場の若者なのです。

いまさら人件費コストを増やせないことはありません。例えば環境ISO&エコ推進のように、企業はお金がかかる環境対策に対して、「企業イメージアップ」のためにお金を使っています。経済促進ISOのようなものを制定して、経済復興に貢献している企業として、イメージアップに繋がる規格を作るなどの施策が有効そうです。

外国人旅行客を増やすことも有効です。観光ビジネスは、輸出中心の工業とは違って、飲食業などの地域産業にお金が落ちやすいからです。

フランスやイタリア、スイスといった国は、対日貿易が黒字だそうです。理由はこれらの国には高額のブランド商品を扱う企業があり、歴史的景観などの魅力で、観光客を引っ張ってこれるからです。日本も、強力なジャパンブランドを醸造して、世界のお金持ちに旅行に来てもらって、お土産をたくさん買っていってもらうことを考えなければなりません。

GDP総額で中国に抜かされたら、世界がだんだん日本を相手にしなくなると騒いでいる人に言いたい。とっくに日本に抜かされた英独仏伊や、最初から小さいスイスが、世界からないがしろにされているだろうか。先進国の国力は量ではなく質で測られるのです。

京都の東山周辺のような、日本らしい街並みを、どれだけ作れるかが勝負になります。近代的なビルに外国人は興味がありません。日本の人口はどんどん減り続けて、地方都市の経済は縮小していきます。それならば、中途半端な開発はやめて、日本らしい街並みを再現して、外国人にとって魅力ある景観をつくっていく方法もありだと思います。


Bangalore Properties – Real Estate India – South Ridge / nancyarora2020

不動産投資と日本経済

私は不動産投資を始めようとしていて、勉強をしています。不動産投資が今後成り立つのか?という疑問を持っていました。人口は2005年をピークに、減り続けています。住宅は供給過剰な状態です。さらに人口が減っていく今後はどうなるのかなと。

本書を読む限り、不動産投資の将来は暗そうです。普通に賃貸物件を運営するのであれば、東京の山手線内のような一等地か、地方であれば1-2万円くらいの激安家賃でないと、入居してくれないでしょう。このままデフレが続く限り、賃貸料も下げざるを得ません。土地の値段も下がっていくので、安く物件を買うことができれば、その分安く貸せます。高値をつかまされることだけは禁物でしょう。

付加価値をつけていくことも大切だと思います。老夫婦専用の物件、子供がいる家庭専用の物件、ペットがいる家庭のみ入れる物件、防音がしっかりしている物件など…。ただ、漠然と不動産投資をする時代は終わりました。新しい時代の大家さんは、マーケティングセンスを兼ね備えていないとやっていけないでしょう。

手っ取り早く経済を活性化させる方法は、女性の社会進出促進であることは間違いなさそうなので、そういった政策が打ち出された時期が、当面の不動産の底値となるでしょう。その時が、絶好の買い場になりそうです。

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