残酷な世界で生き延びるたった一つの方法

私が会社をやめたのは5年前です。サラリーマンとしての収入より、副業でやっていたサイトビジネスからの収益のほうが数倍になってしまったので、やむなく辞めました。会社に行くモチベーションを維持できなくなってしまったからです。

それなりの収益を上げることができましたが、ずっと、何かが足りない気がしていました。

その心の穴を埋めるために、いま行動を起こしている気がしています。ブログ更新もそうです。ふと思います「なぜこんなことをやっているのかな?」と。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

自分でもつかみきれていなかった理由を、本書が教えてくれました。

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幸福とはなにか?

本書では「いまこの世界で、どうすれば幸せに生きていけるのか」について、勝間和代vs香山リカの対決をひも解くことから始めて、努力すれば能力は向上するのか?人は変われるのか?他人を支配できるのか?そして、幸福になれるの?と続きます。

ロングテールや6次の隔たりといったスケールフリー則や、マーケティング的心理学、動物行動学、進化心理学などの、いま話題になっている最新の研究結果とつき合わせながら、世の中の人々の行動を裏づけしていく論調は、説得力がありました。

ところがその一方で、金銭的に成功したからといって、幸福になれるとは限らない。

人の遺伝子は、金銭の多寡によって幸福感が決まるようにプロブラムされているわけではないからだ。人が幸福を感じるのは、愛情空間や友情空間でみんなから認知されたときだけだ。

本書では、幸福とは「人に認められること」と結論づけています。私の行動も、すべて「人に認められる」ためと考えれば、すべて説明がつきました。

自分の意見をより多くの人に共感してもらいたい、自分の創り上げたサービスを、「すごい!」と賞賛してもらいたいという欲求が、強くなってきたのです。いやらしい感じがして認めたくなかったのですが、人間の本質的な欲求と知って、安心しました。

アウトプットで自分を引き上げる

本書は、動物行動学、進化心理学などの観点から、「人は努力しても変われない」と述べています。「変われない」ことを前提として、何をしたら良いのか?がメインテーマとなります。

ネットが普及した現在では、誰でも気軽に情報を世の中に発信できるようになりました。以前は、大企業や有名人しかできなかったことです。

面白いサービスを立ち上げて評判になれば、サービス開発者の評価はグっとあがります。面白い記事を書いて多くの人の目に留まれば、書き手の評価が上がります。

自分は変われなくても、何かの分野で自分をアウトプットして、世に認められれば、アウトプットが自分を引き上げてくれる可能性があるのです。イチローだって、野球の才能をアウトプットしなければ、ただのわがままな人だったかもしれません。

本書の中に、ネットオークション詐欺を企てる男の話があります。詐欺をしようにも、まずは評価を集めないと相手にされないため、小口の取引をまじめに繰り返して、高い評価を手に入れました。

さあ詐欺をしようと思い立ったところで、迷いが生じます。詐欺をしたら逮捕されるかもしれない。それだったら、いま持っている高い信用度を利用して安定したビジネスをしたほうが良いのではないかと?

ところでこの話は、実は終わりがない。

次の機会もあなたはこの二つの選択で悩み、やはり正直を選ぶだろう。そしてその次の機会も…。

このようにして悪意のある人間は、悪意をもったまま、善人として一生を終えることになる。

人は根本的に何も変わらなくても、演じた姿の評判が良いのであれば、人は良い評判の姿を演じ続けられるのです。

「好きなこと」を仕事にする、最強のキャリアプラン

人々が認めてくれるようなアウトプットをするには、高いレベルが必要になります。そのためには、好きなことでないと、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できませんし、続けられません。

それに、ある程度ニッチなジャンルでないと、周りとの競争に勝てません。

ところが、その辺の問題は解消されつつあって、インターネットの普及と、IT機器の性能向上が、ニッチビジネスを後押ししています。

ネットを利用すれば、ニッチなジャンルでも全世界を相手にビジネスができて、工夫によって、家族が暮らしていける分くらいの稼ぎは得られるようになりました。我が家はまさに、その方法で生活しています。

自由で効率的な情報社会の到来は、すべての人に自分の得意な分野で評判を獲得する可能性を開いた。

だったら、幸福への近道は、金銭的は報酬の多寡には気にせず(もちろん多いほうが良いけれど)、好きなことをやってみんなから評価してもらうことだ。

ロングテール社会では、どんな小さなジャンルでも、日本中、世界中からトラフィックを集めれば、かなりの量になります。トラフィックをマネタイズできる方法さえあれば、そこそこの収益は得られるのです。

勝間和代さんの意見が受け入れられないのは、一般の人がみんな、勝間和代になれるとは思えないからです。でも、全国区では無理でも、町内会でなら、勝間和代的な存在になることは可能でしょう。

これからのビジネスの主役は、戦艦大和のような大企業ではなく、戦闘機のようなフリーランス・マイクロ法人だと思います。戦艦の周りを戦闘機がハエのようにたかるような図式になるのかなと。戦闘機は、ヒットアンドアウェイをメインに、時には急降下爆撃で艦艇を狙いに行くようなイメージです。

フリーニアムによって、何かを始めるためにお金が必要ではなくなってきています。必要なのは、アイデアとネット上での影響力です。特に、ソーシャルメディア上での影響力が今後は重要になってくると思います。

ソーシャル時代は「評判」獲得ゲーム

最近はツイッターやfacebookといったソーシャルサービスが台頭してきています。インターネットのプラットフォームは、Googleなどの検索エンジンから、ソーシャルメディアへ移行していくといわれています。

ツイッターやフェイスブックといった、巨大ソーシャルメディアが、膨大なトラフィックを有する割には、有力なマネタイズ手法を見つけられていないのに対して、グルーポンは、ソーシャルメディアに寄生して、莫大な利益を上げているのです。

via: Googleも恐怖する、ソーシャルメディアの足音が聞こえてきた

ソーシャルメディア上で行われているのは、まさに評判獲得ゲームです。ネット上でも、リアル社会と同じような「評判獲得レース」が始まっています。リアルとは一線を画したユートピアであったネット空間も、過酷な競争社会の一部となるのです。ソーシャル=社会ですから、当たり前の成り行きなのかもしれません。

アメリカの有名大学でMBAを取得した優秀なひとたちが、最新のマーケティング理論を引っ提げて起業に挑戦するけれど、ほとんどは失敗する。それは彼らが儲かることをやろうとして、好きなことをしないからだ。

それに対して、「好き」を仕事にすれば、そこには必ずマーケットがあるのだから、空振りはない(バットにボールを当てることはできる)ほとんどのひとは社会的な意味での「成功」を得られないだろうけど、少なくとも塁に出てチャレンジし続けることはできる。

ソーシャルがリアルと根本的に違う点は、前述したように、好きなことをして競争できることです。小さなニッチな陣地を確保して、旗を立ててしまえば、誰でもショートヘッドになることが可能です。

ハッカーたちがオープンソースやフリーソフトにこだわり、マイクロソフトとビルゲイツを毛嫌いする理由がとてもよくわかる。

プログラムに金銭が介入すると、ゲームが台無しになってしまうことを彼らは本能的に知っているのだ。

 

しかし、ひとつだけ気をつけなければならないことが。それは、「好きなことをする」ことで評判を集める際に、「お金儲け」といったマネタイズの話は極力外に出さないことです。

若手のお笑い芸人が、副業でお店を始めると、芸人としての人気が急になくなって、お店も回らなくなる話は、よくありますよね。人は、お金が絡むと、急にモチベーションが下がってしまうからです。

他人から褒められた時に活性化する脳の部分は、現金をもらった時に活性化する脳の部分と同じらしい。自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授と出馬圭世(いずま けいせ)大学院生の研究チームが19人の被験者を対象に、特殊な磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影して比較し解明した。

via: http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-31485920080424

「お金をもらうこと」と、「ほめられること」では、脳の反応する場所が同じだという研究結果があります。

ほめられること、つまり評判を集めることでどんどん自分が成長していって、気がついたら収益が着いてきていた形こそが、ソーシャルメディアを舞台にした、スモールビジネスの進め方だと思います。

これは、私が常々主張してきた、「ブログとマネタイズサイトは分けたほうが良い」という持論と一致します。

ブログで儲けようと頑張っても、一番肝心な人には見破られますので、信用が得られません。

肝心な人とは周囲のブロガーたちのことです。あなたのブログやサービスをクチコミで紹介してくれるはずのブロガーに見捨てられたら、ソーシャル上では何をやっても上手くいかないでしょう。

読書2010
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