「努力だけ」では成功できない

Showing your true colours
Showing your true colours / Fran Tapia

日本は「出る杭は打たれる」国です。有名人になれば、ファンが生まれると同時に、アンチファンが生まれます。少数でも、アンチの憎悪のエネルギーはすさまじいです。

まじめの罠

「アンチカツマー」への対抗心が、本書の根底に流れるテーマとなっています。「有名人を叩く人々」を分析していくことで、日本で起きている多くの問題を説明できます。「まじめに仕事をしているわりには成果が出ていない人」が、成功者の足を引っ張ることで、日本全体のパフォーマンスを下げているのです。

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努力すれば成功できると思ったら大間違い

まじめな人というのは「抜け道を探す」などという発想を持つことができません。

そして、与えられたやり方のみが唯一の正しい道だと考えそこでもしうまくいかないとキレてしまいます。

p50

例えば、ブログをアクセス数をアップさせるには、記事を毎日ポストすることが有効です。間違いありません。当ブログでも再三述べてきました。まじめな方々は毎日ブログを更新するでしょう。でも、一向にアクセス数は増えない…。おかしいじゃないかと、難癖をつけてくる方もいるでしょう。

でも良く考えてみてください。そもそも読者数が少ない段階で、幾ら記事をポストしたところで、アクセスは増えないのは当たり前です。ゼロに何をかけてもゼロなのです。どんなに渾身の記事を毎日更新しても、それだけではダメで、なにかしらの方法で広く注目されて、瞬間的にアクセスを増加させることが不可欠です。キャズム(溝)を越えるきっかけが必要なのです。

当然ながら、かなりエッジの効いた記事でないと、注目されることはありません。誰でも考え付くようなことを、ドヤ顔してポストしても、誰も読んでくれないのです。「1たす1は3です」くらい書かないと(*)、注目されることはないでしょう。でも、まじめな方々は「1たす1は2」のような記事を延々とポストし続けるのです。


Idiot With Binoculars / rileyroxx

減点を生きがいにする人々

では、なぜ人々は何に対してもここまでの完璧さを要求し、要求される側も過度の完璧さを追い求めてしまうのでしょうか。

その根底にはやはり、多くの人が減点法で育てられてきてしまったという、教育の問題があると思います。

減点法に支配されている世界の中で育つと、毎日毎日、親や先生から欠点ばかりを指摘されて育つため、自分に自信がなくなり、欠点を埋め合わせることに意識が向くようになります。

それが、過剰な完璧さを求めるひとつの下地になるのです。

p56

素人運営の当ブログにですら、完璧さを求めてくる人がいます。誤字脱字を指摘してくれるのはありがたいのですが、それをダシにして人格否定をしてくるひどい方もいます。そんなことはまだマシな話で、有名人となれば、もっとひどいことを言われているはずです

「否定する」ことは簡単なのです。一部分だけ引っ張ってきて否定すれば、すべてを否定できます。自分の頭が良くなった錯覚に陥りやすい、麻薬のようなものです。否定からは新しいことは何も生まれないことを、我々はよく理解しておくべきです。


flying people / marfis75

実は彼らは上手く行っていない

私は、この世の中に差別や足の引っ張り合い、いじめなどがなくならないのは、「自分を満たすためのレクレーションとしての差別・批判・いじめ」が存在するからだと考えています。

「本来であれば自分はもっと他者から評価されるはずなのに、なかなか評価されない。だからこそ、自分をより持ち上げるために他者を落とす必要がある」というわけです。

そのため、落とす相手は、誰でも、何でもよくなります。少しでも差別したり、いじめることが正当化できそうな相手がいたら、まるで鬼の首でも取るかのように襲いかかります。

p100

わが身を振り返ってみても、人にイチャモンを付けたくなる時は、自分自身が上手く行っていないときが多いです。満足感で満たされていれば、人のことは気になりません。偉そうにネガティブコメントをつけて来る人は、実際は仕事で大失敗をして、年下の上司になじられていたりするわけです。

他人を攻撃してくる人は、実は痛いところを突かれているのです。そして自分を正当化するかわりに、他人を否定するのです。自己欺瞞です。ネガティブコメントのメカニズムを理解することで「スルー力」を向上できます。


People on the Blue Fire / Tambako the Jaguar

「たまたま」は許せない人々

「まじめな人」の最大の欠点の一つが、こういった「勘」のようなものを忌み嫌い、無視することです。

根拠や権威がないと、それに従いたがらないのです。

結果として、自分自身の判断が送れてリスクを逆に増やしたり、チャンスを失ったり、行動を遅れを招いたりするのです。

p166

「あいつはたまたま上手く行っただけだ」という方は、世の中の仕組みを勘違いしています。まじめに一生懸命、長時間続けるよりも、0.5秒の瞬間的なひらめきが、大きな成功を生むのです。

ボーっとしていてもひらめきは生まれません。何か興味を持って、日々アンテナを立てておくことが大切です。「思いつき」や「ひらめき」は、決して偶然ではないのです。でも、まじめな人たちは、それが許せないのです。努力もせずに思いつきだけで成功するなんて汚いぞと。

「良い結果は、良いプロセスから生まれるもの」という、いわば「当たり前」の考え方に縛られています。良い結果が悪い(予想外)のプロセスから生まれることが、許せないのです。

高度成長期では、アメリカのコピーをしていれば結果が出たので、プロセス重視の考え方は重要でした。しかし、現在は何かヒットするか分からない時代です。予想外のチャンスもモノにしていく姿勢でいないと、成功はあっというまに過ぎ去ってしまいます。

慣習やルールに縛られず、現場で柔軟に立ち回り、目の前のチャンスをものにできる人材が評価される社会を望みます。

* たとえ話です

今日のわかった

有名になってしまうと「有名税」を払う必要はあるのかなと。誰にでも好かれる人は存在しないですし。

好きの反対は「無関心」とよく言われるように、アンチもファンのうちと思えるくらいがちょうど良いのでしょう。

読書2011
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