「東京はなぜ高い私立中高へ入学させるのか」と、地方の多くの人は疑問に思っているはず

いつも思うのは、東京の家庭は、中高一貫校に入れすぎではないかということです。

小学校の高学年という貴重な時期を、受験勉強へ費やした上に、多額の学費を払って、中学高校へ通います。

でも、大学受験となると、果たして地方の子たちに勝てているのか? という疑問があるのです。

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地方の子の多くは、公立中学から公立高校へ進学します。大学受験もそれなりにこなしています。東大の学生の半分は地方の公立高校出身とのこと。

本書を読みながら、考えたことを、綴ってみました。

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都市部と地方の進学事情の違い

東京の子供たちは、半分くらいが私立中学を受験するそうです。そして、付属中高の子の多くは、エスカレーター式にそのまま親大学へ。大学受験する子は難関大学を目指すのでしょうか。

私立の中高一貫校コースの場合、公立と比べて、受験費用と学費を合わせると1,000万円くらいかかります。結構な額ですよね。

ところが、地方の子たちは、大きな都市部でなければ、私立中学への進学は限定的です。ほとんどの子は、公立中から地元の進学校を目指し、大学受験をします。

私立中受験のメリットと疑問

東大生の多くは、名門の私立中高一貫校の出身ですが、半分は地方の公立高校出身だそうです。中高一貫校に行かなくても、東大は入れる大学なのです。

そのような状況を省みたときに、一つの疑問が生まれます。

東京の子供たちは、1,000万円もの費用と、楽しい小学生時代の多くの時間を受験勉強に費やして、はたして報われているだろうか?という疑問です。

私立の中高一貫校の最大のメリットは、高校2年生までに高校3年生までの授業範囲を終わらせられることです。残り1年は、大学受験に専念できるのです。

これは確かにかなりのメリットです。勉強は公立校よりは厳しいでしょうけど、部活にも安心して打ち込めるでしょう。

ただし、高校受験がないので、中だるみがおきる可能性があることはデメリットです。充実した中高生活を送るには、大学受験を見据えた、強い意志が必要でしょう。

私立中はコスパが悪いのでは?

私自身は、公立小中学校を経て、県立高校の受験は失敗して、私立高校へ。大学は国立大学を現役合格しました。

私立高校は、授業料免除の特待生として入学したので、公立高校より学費は安かったです。よって、公立学校に通い続けるよりも安い金額で大学を卒業しました。

なので、どうしても、私立中高一貫校コースのコストが、高すぎる気がしてしまうのです。

ゴールデンエイジに勉強をすることの有効性

百歩譲って1,000万円のお金はOKと考えても、小学生の高学年という、いわゆる「ゴールデンエイジ」と呼ばれる、脳が一番柔らかい時期に、猛勉強をすることは、効率的なことなのかは、意見が分かれるところでしょう。

国語、社会、理科は、大学受験に直接つながるので、勉強は決して無駄ではないと思います。

ですが、算数はどうでしょう。中高の数学との接続がいまいちとのことで、むしろ受験算数をこなし過ぎると、中学からの数学の勉強に弊害が出るそうです。

受験数学の勉強に費やした時間を、スポーツや芸術、外国語の習得に使ったほうが、人生が豊かになる気がします。

時代が違うという見方も

最近の子供たちが学ぶべき量は、我々の時代よりも多いと聞いたことがあります。大学で勉強する内容が高校に降りてきて、高校で勉強する内容が中学に降りてきているのです。

それらを効率よく学習するには、中高一貫校の方が、無理なく余裕をもったカリキュラムが組めそうだというのも理解できます。いわゆる「時代が違う」ということです。

ですが、過去にノーベル賞を取った方々のほとんどが、地方の公立高校出身だそうです。

私立中へ入学して、徹底的に勉強を叩き込まれた子は、大学受験でピークを迎えてしまうのに対し、地方からは本当に頭の良い子が東大や旧帝大といった大学に名門入学してくるのかもしれません。

どの地域に住んでいても、置かれた環境で最善を尽くして、優秀な大学を目指していけば、良いのかなと思います。

今日のわかった

最近の国立大学は、共通テストが900点だとか。我々のころは800点でした。理科か社会の教科が増えたみたいです。大変ですね。

読書感想文
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コメント

  1. たらこ より:

    地方で、来年度も小6の子供がおり、ネットで都会の中学受験の記事を最近よく見かけ、受験できるような学校がそもそもない環境の中、こちらの記事と同じ疑問を持っていたので、なんとなくほっとしました。(うちは、金銭的にもそんな余裕もなく、コスパ重要です)
    ところで、受験算数が数学に弊害を。というのは、どのような理由からでしょうか?我が家、中学受験はできないものの、算数が好きだし、算数オリンピックに挑戦する話が出ており、たぶん、あれも中学受験のような傾向の問題のはずで。。
    本人は、算数検定を最初希望していたのですが、先取り学習を特にしてないのと、基礎問題しかないので、それなら、小6までしか受けれない算数オリンピックをと思ったのですが、受験算数の弊害、もし理由をご存知でしたら、よろしくおねがいします。または、本に載ってますでしょうか?

  2. 子供はまだ二歳 より:

    東京都の子供の数が全国の10分の1(首都圏で3割弱くらい?)みたいなので地方出身者が半分というのは率が悪いのでは?

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