サブスリー(フルを3時間切り)、サブ10(100kmを10時間切り)、富士登山競走完走の3つは、一般市民ランナーのグランドスラムと呼ばれています。すべて達成するのは難しいですが、どれか一つは達成したいなと思っていました。
今シーズンはサブスリーを目指してトレーニングしてきました。300km走った月もありました。サブスリーの夢はかないませんでしたが、シーズンの一番最後に、マラソンの神様が微笑んでくれました。
2016/4/24のチャレンジ富士五湖の100kmの部に出場。9時間43分53秒でゴールして、サブ10(10時間以内)を達成することができました。
レースレポート
距離ごとにレポートしていきます。50kmから90kmまでを上手く走れたのが良かったです。
スタート-10km
今回のレースプランは、シンプルにキロ5分30秒で押し切るというもの。スタートから5kmくらい薄暗い中を下り坂を駆け下ります。
時計の表示が良く見えず、体感でリラックスできるスピードを調整しました。後からラップを見たらキロ4分台! しかし、結果的には前半の貯金が強力な武器となってくれました。
10km-30km
山中湖へ向かうあたりから、キロ5分30秒前後でようやく落ち着きました。山中湖周回はフラットでペースを作りやすかったです。
なるべくロスを減らすように走りました。信号待ちをしないように、遠くから信号のタイミングを観察しながらスピードを調整しました。エイドの補給も手早くとり、おにぎりやバナナは走りながら食べました。手荷物のデポには、予めジェルなどを入れたポーチを送っておいて、ポーチ付け替えるだけして、時間短縮しました。
30-50km
35km過ぎから、北麓公園に戻る登りが始まります。去年はこの坂で心が折れてしまったのですが、今回はスムーズに登れました。骨盤を意識しつつ小股でチョコチョコ走りました。逆に下り坂がキツかったです。バタバタ音をたてないよう、慎重に下りました。
50kmの中間点で27分くらいの貯金ができました。あとは、キロ6分を維持し続ければサブ10を達成できます。脚は疲れてきているのですが、この日はリラックスして走っても5分台をキープできました。焦らずじっくり走ろうと切り替えました。
50-80km
河口湖から西湖への登りは難なく登れました。帰りの精進湖から西湖への坂は長くてキツかったですが、上手く乗り切れました。
精進湖あたりから日差しがでてきて暑くなりました。精進湖のエイドの間隔が長く、のどが渇いてきてしまって、後で飲もうと思っていた手持ちのジェルで水分補給をしました。この辺から少し脱水が始まっていました。
前後にランナーが少なくなり、孤独な走りが続きます。帰りは向かい風。71kmの部のランナーに引っ張ってもらいながら、キロ6分ペースをキープ。帰りは下りが多かったのも助かりました。精進湖が一番標高が高いのでしょうか。
この区間は、とにかく無理せず、楽をして走ろうと心がけました。
女子の上位選手と並走する時間帯がありました。無駄のないフォームでスタスタという感じで走っていました。真似して走ってみると、スピードも出るし、楽なことがわかりました。スタスタ走って、上手く切り抜けられました。
80-90km
80kmすぎて、サブ10はできそう。このまま上手く走れれば、サブ9.5もあるかな?とニヤニヤして走っていたら、河口湖への急な下り坂へ突入。
きつい!
体重+重力の衝撃が両脚にドスンドスンとダメージを与え、足をかなり消耗してしまいました。そういえば、最近は上り坂練習がメインで、下りの練習をしてなかった!
日差しが出ていて、気温が上昇。喉の渇きが強くなりました。エイドでは、2-3杯給水するようになりました。
それでもペースはなんとかキロ6分前後でキープ。たまに腕を回したり、両太腿を大きく上げるように走ったりして、フォームを修正しました。足を体の前でさばいて、前へ前へスタスタ足を運ぶことを意識しました。
90km-98km
90km地点を通過して、貯金は25分くらい。サブ10を確信しました。しかしここからずっと登り。更に最後はチャレンジ富士五湖名物の急坂が待っています。ここまで粘ってくれた両足も、一気に重くなってきました。
歩きたいけど、ここで停まったら二度と動けなくなるかもという恐怖が。とりあえずラスト5kmのエイドまでは頑張ろうと足を運びました。きついんですけど、キロ6分ちょいで走れています。効率のよい足運びの極意が分かったような気がしました。
ここで急にお腹が空いてきてしまいました。そういえば、まともな食事は16kmエイドで貰ったおにぎり一つ。あとはバナナを2つとカステラ一つ。お腹も空くわけだ。
ラスト5kmエイドで、バームクーヘン3つと、コーラ3杯を一気に胃に入れて満足。カプチーノのショッツも飲んで、元気100倍!最後の坂に挑みました。
ところが、足が重い!どうしたショッツ!! コーラと合わせてのカフェインパワーに期待しましたが、効かない。小股でチョコチョコ登り始めましたが、なかなか進まない。散々走ってようやく「残り4km」の表示が。こんなに走ってまだ1kmしか進んでいないのかい!ペースを見たらキロ8分。これではギリギリだ!
だんだん斜度が緩やかになってきて、カフェインも効いてきて、ようやく足が動くようになりました。残り3kmの表示を見て少し安心。ここからなら絶対にサブ10でゴールできると確信。さらに登りは続き、ようやく残り2kmで下り坂へ。
98km-ゴール
ゴールまではずっと下り坂。足はすっかり疲れてしまってスピードが出ない。走りながら「サブ10できちゃったなー」と考えてました。100kmが終わってしまって寂しいな。という思いは微塵もなく、早くゴールしたいの一心で駆け下りました。
公園内に入ると、一直線に競技場へ向かいます。多くの人が待っていてくれました。みんな各々別の知人を待っているのでしょうけど「おかえりなさい」「お疲れ様」という声をかけてくれます。嬉しくて感極まって呼吸困難に。一人ひとりにガッツポーズをして応えました。
競技場に入る手前で、DJの方が、私の名前と、エントリー時に書き込んだメッセージを読み上げてくれました。
「サブ10を達成して、自分の限界に挑戦したい」
両手を上げてゴール!9時間43分53秒の旅が終わりました。
ゴール後の想い
ゴール後はとても晴れやかな気分でした。達成感で満たされていました。涙一つ出ませんでした。去年までは涙涙だったのに。あの涙は悔し涙だったのかもしれません。
ペース配分もたまたま上手くいきました。涼しい早朝にペースを上げて貯金を作って、後半は女性ランナーのフォームを参考にリラックスして走れました。貯金がギリギリだったら、後半焦ってスピードアップして、失速してしまったかもしれません。
今シーズンはサブスリーを目指して強い練習してきましたが達成できず。フルマラソンを中一週間で連戦もしました。ところが、3分程度しかベストを更新できず、限界を感じていました。それでも、サブ10(100km)ならいけるかもと思っていたので、達成できてとても嬉しいです。
11年前までヘビースモーカーだった人間が禁煙して、10年かけてここまで辿りつけました。私のマラソン人生の大集成となりました。
今シーズンのレースはこれで終了。次の予定は白紙状態です。しばらくお休みして、やりたいことを考えます。
最後になりましたが、大会関係者、ボランティアの方々、沿道の応援、そして、一緒にゴールを目指した全てのランナーに感謝します。
【ラップ】
0-10km 5’42-45-10-4’48-43-5’30-52-07-49-52
10-20km 5’27-15-12-27-45-15-42-12-10-21
20-30km 5’18-18-42-24-24-18-27-49-04-07
30-40km 5’16-27-27-36-6’00-5’24-56-6’07-5’49-33
40-50km 5’18-42-33-4’34-5’33-15-33-27-24-24
50-60km 5’33-45-30-27-30-33-10’00-5’52-33-30
60-70km 5’42-6’03-10-5’52-52-21-52-45-30-45
70-80km 5’41-6’27-005’42-6’44-5’42-36-39-6’00-5’27
80-90km 6’12-5’42-49-6’00-5’49-6’31-5’52-56-6’00-18
90-100km 6’00-10-7’1-3-6’35-18-10’09-7’47-8’00-?-?
(最後時計の電池切れた。なんで!)
過去のチャレンジ富士五湖レース記録