「共感」をまとわない情報は、口コミされない

Hand
Hand / lizzieerwood

ソーシャルメディアを上手く活用して、人生の質を高めていくための考え方は、一つしかありません。「共感」を得ることです。

明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法

ソーシャルメディア論として、これまでで一番しっくりくる内容でした。ネットに限らず、人生における周囲とのコミュニケーションの中で、続けるべきこと、見直すべきことを考えるきっかけになるはずです。

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「共感」を育てる

ハイパークチコミが誕生したことでネットの情報伝播力は飛躍的にアップしたのだが、どんな情報でもハイパークチコミされるのであろうか。

答えはNOである。情報が広まるには条件がいる。

それは、その情報が「共感」を纏っているかどうか、である。

(p116)

ソーシャルメディア上では、「共感」こそが、情報が口コミされていくパワーになります。情報の内容への共感、情報の発信者に対する共感の二つが揃うことで、情報は広く拡散していきます。自分と同じように、知り合いにも「共感」して欲しいからです。「この情報を知り合いに伝える価値があるか」という厳しいフィルターを通らないと、口コミはされません。

人々から共感してもらうには、誠実な発言・行動を続けるしかありません。ソーシャルメディア上で人の悪口を書き続けているようは方は、リアルの知り合いが仕方がなく付き合ってくれているか、同じように悪口が大好きな同じ穴のムジナ同士が集まってくるだけです。


こいつ誰よ / iandeth

ソーシャルメディアでは悪口は拡散しづらいものです。なぜなら、各々がソーシャルグラフを持っていて、自分のソーシャルグラフに伝えるに値する情報だけ口コミしようとするからです。よほど悪口好きの人でない限り、人の悪口を口コミをして、同じ悪口仲間と見られてしまうようなことはしないのです。残念ながら、大声で悪口を言っている人は「痛い人」と冷ややかに見られて、次第に孤立していくでしょう。

ソーシャルメディア上の発言は、フェイスブックなどのクローズドな場でないかぎり、どこかに記録されて残ってしまいます。自分の子供が成長したときに、あとから幾らでも親の発言を探し出すことができます。「わが子に読ませられる内容かどうか」は、ソーシャルメディア上の発言をしていく上での指針にしたいです。


猫布団 / ニャホ

100人のファン

でも、実は100人で十分なのである。

「100人のエバンジェリスト」は、それぞれのソーシャルグラフに対しておせっかいかつ積極的にその共感を伝えまくる。

たとえば、それぞれのソーシャルグラフのうち100人が彼らのコメントをRTやいいね!し、それがまた100人ずつに伝わっただけで、100×100×100=100万人になるのである

(p185)

ソーシャルメディアでは多くのフォロアーは必要ありません。1万人に薄く伝えるよりも、100人に濃く伝えたほうが、口コミが広く拡散するという、見た目とは逆の現象が発生します。無理にフォロアーを増やす努力は必要ありません。コアなファンが100人いればよいのです。

では100人のファンを得るにはどうすればよいかというと、「共感」を得る活動を続けることです。徹底的にマニアックな情報を発信し続けることも、数は少なくてもコアなファンの獲得につながります。すべての人に好かれて、読んでもらえるような情報の発信は、ソーシャルメディア時代では、実は価値は高くありません。

時にはネットで失敗することもあるでしょう。失敗したら、全力で反省すればよいのです。失敗も長い目で見たら、「個性」につながります。不完全な部分にこそ、人の魅力の源泉があります。「何でもある」とは「何もない」ことと同じです。


iPhone Unpack/Unlock party / The Next Web

なぜハイパー口コミが起きるのか?

ソーシャルメディアにより受信者=発信者となり、全員がクチコミに参加するようになったわけだが、ここにもうひとつ大きな要素が加わるのである。

それは「クチコミに参加した全員のソーシャルグラフに情報が自動的かつ半自覚的に拡散していく」ということだ。

(p102)

ちょっと前までのネット上の口コミは、ブログを介して拡散していました。ブログから読者へ情報が伝わる一方向の拡散で、情報の発信側と受信側が明確に分かれていました。

ところが、ソーシャルメディアが普及してくると、ソーシャルメディアの利用者一人ひとりが、情報の発信者となります。ソーシャルメディアの肝は、リツートやシェアといった、情報を簡単に拡散できる機能にあります。ソーシャルメディアは、自分で新しい情報コンテンツを0から作るよりも、見聞きした情報を拡散する方が得意なのです。リツイートやシェアも「自分の感性」のフィルタを通した情報発信となります。

情報拡散が得意なソーシャルメディアで、今までは情報の受信者だった人が情報の発信者となることで、全員による伝言ゲーム、ブログ時代とは比較にならないくらいの規模の「ハイパー口コミ」が発生するようになりました。


Unhappy, Hungry, Loud Seagul! / mikeyskatie

大声マーケティングは終わった

一方的に口説いていた時代には見せていなかった「中身」を相手にオープンにする。

自分に都合のいいところばかり見せるのではなく、都合が悪いところも見せる。

普段の行動もちゃんと見せる。

社会に関わる姿も隠さず見せる。

そして長くつきあう。ずっとつきあう。

そんな関係になるべきなのだ。

(p221)

これまでの広告はプッシュ型で「オレってスゴイんだよ!」と、人々の会話を遮って大声でアピールするような感じでした。以前はそれでも情報が少なかったので、それでも良かったのです。しかし、現在はネット・ソーシャルメディアの普及により、誰でも情報の裏を取ることができます。いくら表面的に取り繕っても、中身が伴っていないと、化けの皮をはがされてしまうのです。

この話はネット上だけの話ではなくて、実社会での営業マンも同じです。本当のプロの営業マンは自分から絶対にビジネスの話をしません。「頼むならあの人へ」という状態に持っていくまでに、長い時間をかけてお客さんとコミュニケーションをします。人々は売り込まれることが大嫌いなのです。

「口説き落とすのではなく、愛される存在へ」

自分をさらけ出して、誠実な活動をして、共感を得ること。時間をかける必要があること。すべての人に好かれる必要はないことへの理解。ソーシャルメディア時代を有意義に生きるための姿勢が大切です。

今日のわかった

自分を振り返っても、身につまされる内容でした。これからは更に「中身」が問われる時代になるでしょう。ブログやソーシャルメディアは、ロング・エンゲージメントを意識して、じっくり取り組んでいきたいです。

読書2011
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