「何を言ってもわかってくれない人」と接する方法

人は多かれ少なかれ、人間関係になんらかの問題を抱えているはずです。パートナー、友人、取引先、そしてネット上で…。問題は完全に解決できないことを前提に、どう付き合っていくかを考えたほうが現実的です。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

本書では、新しく入社したマネージャーへのレクチャーを通して、「自分の箱」という考え方を元に、他人とのコミュニケーションの考え方を学ぶことができます。

物語形式になっているため、読みやすいです。「自分の箱」から出て人と接する方法について、豊富な例を元に、新マネージャーと一緒に学ぶことができます。


Crisis direct mail; Box / robhowells87

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箱とはなにか?

自分の箱のせいで、他の人たちに問題を引き起こさせる。そうやって、自分には問題がないという証拠を手に入れる

「箱」とは「自己欺瞞」を発端にした、自分を正当化するためのフィルターを意味しています。「自己欺瞞」とは、自分の感情に背くこと、自分への裏切りのことです。本書では、自己欺瞞が、あらゆる問題の引き金になっているという考え方が、基本になっています。人は、自分をすぐに「箱」の中に入れてしまいます。

例えばこういうことです。私が本書を読んで思い出したのは、当ブログへネガティブコメントをしてくる人のことです。私は当初ネガティブコメントを全面否定していました。なんでこんなひどいコメントをしてくるのだろうと真剣に凹み、そして怒りを覚えました。コメント主をひどい人と認識して、ネガティブコメントに対して真っ向から反論しました。

しかし、本書を読んでからは、ワンクッション置いて考えられるようになりました。実は痛いところを突かれているのだけどそれを自分が認めない、つまり自分自身の「自己欺瞞」が発端にあって、「自己正当化するように周りを見ていないかどうか」を考えるようになりました。

当然、ネガティブコメントをしてくる相手も「箱」に入っています。一段上のレイヤーから、コメ主が箱に入ってしまった理由にまで、思いをめぐらせることができるようになりました。

本書には、多くの実例と、わかりやすいイメージ図が掲載されています。言葉だけでなく、イメージを持っていたほうが「箱」を理解しやすくなります。


Two White Flowers / Jon… in 3D

やり方は二つある

つまり人間は、相手が自分をどう思っているのかを感じ取ることができる。これがポイントなんだ。

本書によれば、他人に働きかける、つまり、人に頼みごとをしたり、注意をするときには、二つの方法があります。一つは「相手に反感を与え、腹を立てさせる方法」。そして、もう一つは「献身的な気持ちにさせる方法」です。

最初からケンカごしでコミュニケーションをとりたい人は居ないはずです。誰でも、自分の意見をスムーズに受け入れてもらいたいのです。しかし、テクニックは存在しません。我々はまず、「人間は、相手が自分をどう思っているのかを感じ取ることができる」ことを、知るべきなのです。人は微妙な表情の変化や言葉の節々から、相手の本音を感じ取ることができます。

優しい言葉で語ったりして、表面だけ取り繕っても人を献身的な気持ちにすることはできません。ネット上の言葉だけのやり取りでさえ、本音が透けてしまうのです。


Cat volume computation / oskay

「箱」から出るためにすべきこと

ああそうだ。わたしもそうだった。どうやって箱から出るんだろうと思ったときには、箱から出ていた

まずは、相手を自分と同じ人間、同じようなニーズや望みを持った人間として、まっすぐに見れているかどうかを、自問自答することです。自分が特別な人間で、自分のニーズや望みが特別なものであると思っていないかどうか、一度深呼吸をして考えて見ましょう。

自分が「箱」に入ってしまっていることを認識し、「自己欺瞞」つまり、「自分の感情に背いている」ところを探してみましょう。相手に対して攻撃的になるのは、往々にして、痛いところを突かれていることが多いです。それを認めないために、相手の欠点を過大評価して、自分の落ち度は過小評価することは、まさに自己正当化することです。「箱」そのものです。

そして、「自分にも落ち度があるかな?」と疑問を持ち、箱から出たいと思った時に、初めて箱から出られるのです。


Boxing Cat / Ella Mullins

相手に逆らうのをやめる

相手に逆らうのをやめた瞬間に、箱の外に出ることができる。自分を正当化しようという考えや感情から解き放たれるんだ。

本書の内容を知っているだけでも、相手を見る目が変わってきます。何を言ってもわかってくれない、攻撃的な人がいたときに、「ああ、この人は箱に入っているな。自分は箱に入らないようにしないとな」と思えるだけでも、冷静に対処をすることができます。脊髄反射的な反応をする前に、ワンクッション置くことができ、むやみに相手に逆らうのをやめることができます。

インターネット上の自分に対するネガティブコメントへの対処として、「スルー力」があります。これまでは「華麗に無視すること」だと思っていましたが、本書の「箱」の話を理解したうえで「相手に逆らうことをやめる」ことが「スルー」することだと考えると、一番しっくりきます。

誰でも「箱」に入ってしまいます。人間である以上、どうしようもないことです。しかし、「箱」の存在を知っておくことで、心にゆとりをもって、周りとコミュニケーションを取れるようになります。落ち着いた冷静な対応は、信用と信頼につながるでしょう。

今日のわかった

と、この記事を書いている私自身も、箱に入っているかもしれません。

この本の内容はとても大切なことが書かれています。人間関係にお悩みの方に、本当にお勧めできる本です。

読書2011
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コメント

  1. susi-paku web より:

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