後悔が次の時代をつくる

2015/10/20から日経新聞で、本田道-サッカー選手の育て方- というコラムが掲載されました。ネットでも読めます。

ACミランに所属し、サッカー日本代表でも中心選手として活躍されている本田圭佑選手は、サッカー選手として活躍する一方で、小学生のスクールから高校生チーム、そして、クラブチームであるオーストリア3部のSVホルンと、すべての世代のチームのオーナーでもあります。

ビジネスなど手を出さずに、選手としての責務をまっとうすべきという意見も聞こえてきそうですが、私は本田選手の活動に感銘を受けました。本田選手の目は、日本サッカーの未来に向いているのです。

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過去に後悔がある人が、良い指導者になる

本田選手はどちらかというと、遅咲きの選手です。ガンバ大阪のユースチームへの昇格はならず、石川県の星稜高校からプロ入りしました。スピードがないので、キープ力を高めるために、自分で試行錯誤して練習して技術を世界レベルまで引き上げてきました。

ここまで来るのに自分で練習メニューを決めてきた。かなり遅かったのもたくさんある。子供の頃から(今のような練習を)やっていたらとんでもない選手になったと思う。子供たちは早い段階から必要なものを最高のレベルで身につけた方がいい

本田選手は「もっと早く、子供の頃から今の練習をしていたら、もっとすごい選手になれた」と、後悔しているのです。しかし、自分はもう子供には戻れない。ならば、自分が発見したノウハウを、これから育っていく子供たちに伝授したい。自分が果たせなかったものにたどり着いて欲しいという、強い思いを感じます。

他のスポーツを眺めていても、天才的なプレーをする選手よりも、粘り強く、コツコツ技術を積み上げてきた選手の方が、引退後、良い指導者になっていることが多いです。

学校の教員も、ただデキる人を採用するのではなく、子供時代に失敗をした経験を持つ人を採用したほうが、良い教員に育つと思います。勉強ができた人は、勉強ができない子供の気持ちを理解できません。

後悔は人間力を育む

本田選手の活動は、簡単に実現できたことではありません。本田選手自身が想いを語り、多くの人が共感してくれたから成し得たことです。

過去に多くの失敗や絶望を経験すると、人に優しくできるようになります。本田選手はチャレンジと後悔を繰り返してきた中で、人間力を育み、口先ではなく、実際に動いて次の世代に影響を与えようとしています。

ある程度、幼少時代に追い込まれた、あるいは自分で追い込んで無理して肉体を鍛えた選手ほど、今の日本代表に残っている

フィジカルとメンタルの重要性についての持論も述べられていました。サッカー技術だけでは、頂点には上れない。徹底した体力トレーニングは、世界に立ち向かえる体力をつけると共に、勝負所で力を発揮できる強いメンタルも育成できるとのこと。

人間教育を取り入れた、新しいサッカー選手育成プログラムを、自身のクラブで実践していくとのことです。上手くいけば、他のスポーツにも応用できます。成果が楽しみです。

後悔は理念をつくる

後悔は大きなエネルギーを生み出せます。

人生経験とは、後悔の数とも言えるでしょう。年長者は大きな力を生み出せるのです。名指導者に年長者が多いのは、後悔の数が圧倒的に多いからです。

現代サッカーの最先端を行くFCバルセロナのゲームスタイルは、ヨハン・クライフの精神が起源となっています。日本だと、鹿島アントラーズには「ジーコスピリット」があります。ビジョナリーなチームには、強い理念が存在します。

理念や哲学は自然に発生するのではなく、一人の強い信念から生まれることがほとんどです。クライフもジーコも、まだやれたという後悔が、辿りつけなかった理想を次の世代に引き継ぐモチベーションになったはずです。

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強いビジネスの根底には、シンプルでわかりやすい理念や哲学があります。その多くが、創業者の過去の失敗や後悔が堆積してできたものです。

できれば後悔したくないですし、失敗もしたくありません。しかし、チャレンジと失敗は裏返しです。大きな成功をつかもうとすれば、それ相応のリスクも背負わなければなりません。

失敗して後悔したとしても、得られた経験は次の成功への糧となります。むしろ後悔が多いほど、将来生み出せるものは大きくなると考えれば、新たなチャレンジに勇気がわいてきます。

今日のわかった

私自身、大人になってから水泳ができるようになったり、マラソンでサブスリーを目指すようになりました。

子供のころからもっとよく考えて練習していれば、スポーツをもっと極められたのではないかという思いがあり、本田選手の想いに共感しました。

二人の息子には、私が知っていることをすべて伝授していきたいと考えています。

静岡にも本田スクールができて欲しいです。

教育論
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